先日、偶然に ザ・ハイロウズ の「十四才」という曲を聴く機会があり、歌詞が頭に残りました。
”ジョナサン 音速の壁に ジョナサン きりもみする ホントそうだよな どうでもいいよな ホントそうだよな どうなってもいいよな”
から始まり
”リアルよりリアリティ ”
という歌詞が繰り返されるのですが、その時「ジョナサンって何だろう・・・」と漠然と思って聴いていました。
次の日、本屋に入りふらっと本を眺めていると、私のお気に入りの本の横に青い背表紙の小さな本があり、思わず「あっ」と手に取りました。
それはリチャード・バックの「かもめのジョナサン」でした(奇遇!)
ある一定以上の年代の方は、この本の爆発的ヒットを知っているようですが、恥ずかしながら私は名前だけしか知らず、早速手にとって読み始めました。
実は、ハイロウズ(元ブルーハーツ/現クロマニヨンズ)の甲本ヒロト氏は、ほんのちょっとだけ世代的にお兄さん(^^;で、あまり詳しくなかったのですが、
私自身の病気の治癒の過程で、ヒロト氏の歌詞がかなり劇的なインスピレーションを与えてくれました。(非常に不思議な体験でした!後日書けたら・・・。)
それをきっかけにしてヒロト氏の歌詞を知るにつけ、個人の中にある宗教性について、ごく自然に、率直に書かれた詞の多さに驚愕しています。(既存のファンの方には当たり前なのかもしれませんが・・・)
本を読み終え、ヒロト氏はこの本の物語にある(既存宗教ではなく)個人の中にある宗教性対してもインスピレーションを得たのではないかな、と感じました。
少し話がズレましたが、こうして手にした「かもめのジョナサン」は、ハタ・ヨーガを行う私にとっては大変共感できる内容です。
あまり詳しい内容は差し控えますが、主人公のかもめ、ジョナサン・リヴィングストンは、かもめにとって当たり前である「飛ぶ」という行為に対して大きな価値を見出し、その事に夢中になります。飛ぶ行為は、かもめにとってはエサを摂る手段、生命を維持し繁栄するためのものですが、彼はただ、「飛ぶこと」の能力の限界に挑戦しつづけます。
彼はその風変わりな生き方を仲間のカモメたちには理解されず、群れから追放されますが、それでも彼はこの道を純粋に貫き、その行為がいつの間にかある心身の「高み」まで到達させます。
彼はヨーガの求める本質を表しているようでした。
つまり「アヴィヤーサ(修習)とヴァイラーギャ(離欲)」、そして「実感」が大事だと!
まず、アヴィヤーサ、「修習」とは何でしょうか。「修習」の意味を調べますと「学問・技芸をおさめならうこと 」とありますが、ヨーガではアーサナ(ポーズ)や呼吸法、瞑想などを覚え、行うことですね。
私たちはこれらのアーサナや呼吸法、瞑想を行う時、何がしかの効能・効果を求めている方が殆どだと思います。実際に身体と心の健康に大変良いものですので、大体私も、これはこういう効果があるだの何だのと、つい生徒さんにはたくさんお話してしまいます笑
しかし古典ヨーガでは「修習と離欲」はセットです。
ではもう一方のヴァイラーギャ、「離欲」とは何でしょうか。欲を離れるという事で「無執着」を指します。この場合、欲=執着とは「行為の結果に対しての欲/執着」です。そこから離れてね、と言っています。
つまり、「修習(行為)をせよ、しかし修習(行為)の結果には執着するな」という事です。
これは大変難しいことです。だってせっかく一生懸命時間を使ってやっているのに、しっかりと望んだ結果が出て欲しいのが普通ですし。
しかし、ヨーガを長くやっていると分かるのですが、効果がどんどんと実感できる時と、停滞する時期が交互にやってくるのですね。また、慢性的な心身のお悩みを抱えている方は、「早く良くなりたいけどいつ完治するんだろう。あとどれくらいやれば良くなるのか」という焦りに陥りがちです。実際には小さな結果が沢山でているのに、「完治」を成功の基準にすると他の結果は全てゼロに見えてしまう事もあるかと思います。
これらの状況では「結果」に対する欲、というものが大きくもたげてきて、それは結局、結果にもあまり良くない影響を与えるという矛盾に陥る可能性があります。
「結果」はヨーガに限らず何をしていても生きている限り生み出しています。そこに私たちは「成功/失敗」の色を付けて一喜一憂しますが、その成功/失敗は、実はかなり独自の癖に基づいた判定なので、
古典ヨーガでは、「どうせ修習(行為)するのは一緒なんだから一喜一憂するなよ。修習(行為)自体を楽しもう。喜ぼうが失望しようが、結果は勝手に出てしまうんだし手放しでやってこ。」と、離欲を推奨しています笑(かなりざっくりです(^^;)
かもめのジョナサンは、この修習と離欲を実践しているといえます。
またまた長くなりましたので汗、次回はジョナサンに学ぶ「実感」について書ければと思います!
(※この本の「完全版」では初版で一度棄却された章「パート4」を追加したものが読めますが、この章が加わった事で大変「わかりやすく」なっています。もしお読みになられるなら、私は完全版をお勧めします。)
朱音
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